スイスアルプス便り

スイスのサンモリッツにある、日本人経営の旅行会社<ジャパニーズインカミングサービス>のブログです

2014年09月

フィルスト〜グローセシャイデック、裏ルート


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雨の多かった夏が嘘のように、好天に恵まれた9月です。今日はグリンデルワルトのフィルスト展望台からグローセシャイデックの峠までハイキングしてきました。といっても、誰もが行く、皆が行く通常ルートではなく、シュヴァルツホルンの裏側をまく、純粋歩行時間6時間程のロングコースです。標高差にすると登り640m、下り740m程ですが、前半はアップダウンが多く、後半は一挙に下ります。
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まずはバッハアルプ湖を目指して出発します。湖の手前で右に分岐、暫くすると眼下にバッハアルプ湖が現れます。普段あまり見下ろす事の無い湖なだけに、ちょっと新鮮な眺めでした。

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更に登って行くと、正面にシュヴァルツホルンの姿。ドイツ語で「シュヴァルツ」は「黒」を意味します。本来であれば「黒い山」なはずのシュヴァルツホルンがこの日は新雪を頂いて白く輝いていました。
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途中でアクサアルプへの分岐があります。この道を辿るとゆくゆくはブリエンツ湖。対岸には蒸気機関車で有名なロートホルンの姿を望む事が出来ます。


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シュヴァルツホルンのお膝元には「ヘクセゼーリ(魔女の池)」。アルプスらしいエメラルドグリーンの湖です。小さいけれど、美しい。何よりも、自力で歩いて行かなければ辿り着けない場所。この湖畔でお弁当を広げるのもお薦めです。

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この辺りから、標識はあるものの、道らしき道のないガレ場になります。お天気の悪い日、視界の聞かない時は避けた方が無難です。またガレ場が苦手な方にはお薦め出来ません。その場合にはフィルスト方面に引き返してください。

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さすがに9月です。2,700m付近は新雪に覆われていました。

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2704mの峠から見た景色です。ここからは740mの標高差を一気に下ります。

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急なガレ場を抜けた先で、ヴェッターホルンに再会しました。ここからは沢に沿ってひたすら下るだけ。グローセシャイデックに向かう場合は最後にちょっと登り返す必要がありますが、そのまま下ってシュヴァルツヴァルトアルプに向かう事も出来ます。歩行時間にして一時間程+になりますが、時間と体力に合わせてお選び下さい。帰りはグリンデルワルトバスの路線バスでグリンデルワルトまで戻ることが出来ます。

さか



登山技術基礎講習会

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9月に入ってようやく気候が安定して来た感のあるベルナーオーバーランド地方です。黄金の秋がやって参りました。先日、グリンデルワルトの山岳ガイド組合 主催の登山技術基礎講習会に参加してきました。この講習会では、3,000m、4,000m級の山々に登るための基礎となる技術が学べます。
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今回 参加したベーシック1の講習では、ロッククライミングの基礎から、各種ロープワーク、アイゼンワーク、アイスクライミングの基礎などを二日間のコースを通 じて実習しました。今回の参加者は、ドイツ人、イギリス人、スイス人、日本人と国際色豊か。ドイツ語のみならず英語でも講習を受けられます。本場スイスの 登山技術に興味のある方、自分の技術のブラッシュアップをお望みの方、一度受講されてはいかがでしょうか。ちなみに、基礎講習会はこの他にベーシック2、 ベーシック3とあります。インターネット上でもコースの内容をチェック出来ますので、興味のある方はのぞいてみてください。

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さか


インターラーケンのおすすめお土産屋さん

先日、インターラーケンに長期滞在するグループに、インターラーケンの町中を案内する機会がありました。そのとき、「スイスに住んでいるガイドさんが日本に帰国するとき、お土産を購入するインターラーケンのおすすめお土産屋さんを教えて欲しい。」という質問がありました。スイスらしいお土産で、あまりありきたりでないものを購入できるお土産屋さんを2軒ご紹介します。

Albert Schild(アルベルト・シルト) 
1898年創業。スイスの伝統的なお土産ものを百年以上も販売している老舗のお土産屋さんです。チーズフォンデュ用の鍋、スイスの木彫りの牛やブリエンツの木彫り人形を販売しているほか、伝統的な子供の遊び道具を店舗の半分を使って販売しています。他では見ることができないピカイチな品揃えが、地元の写真家が撮影したセンスの良い絵はがき。また、バレンベルグ野外博物館で作られた手作りチョコレートが人気だそうです。スイスの野草を練り込んだ石鹸や化粧品も取りそろえています。
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住所: Bahnhofstrasse 19, 3800 Interlaken
電話番号: +41 (0)33 822 34 34
ホームページ: http://www.swisssouvenir.ch/
営業時間: 平日 朝10時~正午、午後1時30分~6時30分、土曜日 朝10時~正午、午後1時~4時、日曜日 正午~午後5時
店舗ロケーション: インターラーケン・ウエスト駅から東へ徒歩で約5分。ツェントラル・プラッツZentral Platzにあるホテル・クレブスの向かい。マクドナルドの2軒隣。エーデルワイスを持った木彫りの熊が目印です。

Swiss Mountain Market(スイス・マウンテン・マーケット)
2012年に開業した地産地消の有機栽培生産された製品を扱うお土産屋さんです。地元グリンデルワルトのミルクを使ったチーズや干し肉、野草をミックスしたハーブティーの取りそろえは他のお土産屋さんとは一線を画します。地元産の野草や果物を使ったリキュールや化粧品の取りそろえも豊富。地元の人が伝統的な方法で作った布製品なども販売しています。
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住所: Höheweg 133, 3800 Interlaken
電話番号: +41 (0)33 841 12 30
ホームページ: http://www.mountain-market.ch/
営業時間: 平日 朝10時~午後12時30分、午後3時~7時、土曜日 朝10時~午後4時、日曜日 午後3時~午後7時
店舗ロケーション: インターラーケン・オスト駅から西へ徒歩で約5分。ヘーエマッテの北東の角。ホテル・ドゥ・ノルトの向かい、ホテル・サン・ジョルジュの隣、黄緑色の牛が目印です。

つちや

クラインマッターホルンからブライトホルン(4164m)への登頂

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ヨーロッパアルプスで一番簡単に登れる4000m峰といったら、ツェルマットにあるブライトホルン(標高4164m)です。簡単なのですが、ヨーロッパアルプスにある峰々の中で27番目に高い山です。晴れた日の頂上からは、モンブラン、グランコンバン、マッターホルン(写真に写っているグループの向こうに見えています)の他に、ユングフラウやメンヒも望むことができます。

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先日、夏の終わりの晴天の日に、ブライトホルンに登ってきました。クラインマッターホルン展望台のスキー場管理区域を出たら、氷河の上を歩いていきます。簡単に登れると言っても、どこにクレバスが隠れているか分からない氷河の上を歩くので、グループを組んでお互いにアンザイレン(ロープで結びあうこと)をし、アイゼンを付けて登っていきます。

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最初の30~45分は平坦なブライトホルンプラトーを歩きます。徐々に傾斜が急になり、途中からはジグザグを切りながらさらに1時間ほど登ると稜線にでます。稜線に出たら山頂はもうすぐ。標高4000mを超え、ちょっとの登りでも息が苦しいです。イタリア側の山々が綺麗に見え、東からの稜線が近づいてきたら、ブライトホルン西峰4164mです。山頂は思ったより広くて怖くはありませんね。山頂からは360度の大展望です。

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帰りは1時間ほどでクラインマッターホルン展望台に戻ってきます。展望台でアンザイレンを解いて、登山終了、お疲れさまでした。展望台からブライトホルンを望むと、たくさんの人がグループを組んで登っていくのが見えました。

日本からの旅行者がブライトホルンに登頂するには、地元ガイド組合のガイド付きツアーに参加するのが一番簡単です。ガイド付きツアーは前日までに申し込み、朝7時過ぎにクラインマッターホルン行きゴンドラ「マッターホルン・エクスプレス」山麓駅でガイドと待ち合わせします。朝8時30分頃から歩き始め、午前10時30分頃に登頂、午後12時過ぎにクラインマッターホルン展望台に戻ってきます。富士山よりも高い場所から歩き始めるので、高度順応が重要になります。ハーネス、アイゼン、スキーポールなどはツェルマットのアウトドアショップでレンタルすることができます。最大でガイド一人に対してお客さまは6人までです。また、このコースではアイゼンを使うため、通常の海外旅行保険では適用外になる場合がありますので、ご注意ください。

弊社ジャパニーズインカミングサービスは、地元ツェルマットのガイド組合手配、ガイド組合での打合せアシスタント手配を行っています。ぜひお問い合わせください。
http://jisdavos.org/


つちや

ユーレイルパス利用されるかた、ご注意ください

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今日、仕事のためインターラーケンオスト駅に行ったところ、新しい標識がプラットフォームにできていました。「EURAIL NOT VALID」と書いてあります。

鉄道パスは、慣れない窓口や自動販売機で切符をいちいち買う必要が無く、とても便利です。スイス国内で通用する鉄道パスはいくつかありますが、大きく分けてユーレイルパス系とスイストラベルシステム系があります。

ユーレイルパス系は、ヨーロッパ全体もしくは隣国どうしの数カ国で利用可能な鉄道パスです。ユーレイルグローバルパス、ユーレイルセレクトパスなどの名称が付いています。基本的に各国の国鉄線(もしくは民営化された旧国鉄)で利用でき、山岳鉄道やポストバスでは乗車券として通用しません。国鉄と私鉄が相互に乗り入れているスイスでは、利用できる交通機関が分かりにくく、思わぬところで利用制限がかかることがあります。

スイストラベルシステム系は、スイス国内の加盟している鉄道路線、湖上汽船、山岳鉄道、ポストバス、大都市の公共交通機関などで利用ができ(一部の私鉄・ポストバス・山岳鉄道では25~50%割引)、スイス国内のみでの利用には断然お得です。スイスパス、スイスフレキシーパスなどの名称です。

そこで、冒頭の新しい標識に戻ります。インターラーケンオスト駅には私鉄の三社、BLS(ベルン・レッチベルグ・シンプロン鉄道)、ZB(スイス中央鉄道)、BOB(ベルナーオーバーランド鉄道)が乗り入れています。このうち、ベルンからのBLSとルツェルンからのZBはユーレイルパス系を追加料金無しで利用可能なのですが、ここからユングフラウ地方に向かうBOBはユーレイルパス系を利用する場合は追加料金が必要なのです。利用できると思っていた鉄道が利用できなかったとしたら、追加料金を払うことになったら、特に値段の高い山岳鉄道、ちょっとショックですよね。標識ができたと言うことは、たぶん、かなりの人がユーレイルパスを利用できると思いこんでいたのではないでしょうか?

以上の情報は2014年8月31日現在の情報を元にしています。鉄道パスの利用範囲などの詳細は常に改訂されています。詳細は各鉄道パス発行会社にお問い合わせください。

つちや
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