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 世界遺産の鉄道路線でありスイス屈指の観光路線、氷河急行とベルニナ急行を運行している、スイス最大の私鉄レーティッシュ鉄道は今年、その運行開始から125周年を迎えました。今回訪れたのはレーティッシュ鉄道の全てが分かる鉄道博物館アルブラです。クールからサンモリッツに向かうアルブラ線のほぼ中間点に位置するベルギュン駅に2012年に開館しました。

 鉄道施設の一部を改築して作られた博物館前には旧型の機関車が展示され、入口に上がるスロープは古い貨物台の上につながっていて、遊び心に溢れています。入口部分左側は駅窓口、博物館へは右手のショップ兼カフェの方から入ります。こちらのカフェも昔の車両の座席を使用したりと、古き良き時代の鉄道の雰囲気を満喫出来ます。

 チケットを購入して中に入ると、まずは125年の歴史で使用されて来た機関車や車両の写真が次々と映し出されていました。その先には、鉄道模型で作られたレーティッシュ鉄道の姿。

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 駅の様子や、ラントヴァッサー橋の様な見所まで、細かく作られています。時間帯が合えば、係の人が模型を走らせているのに出会えるかもしれません。

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 開館から既に2年が経っていますが、この模型はどうやら未だに建築途中。スイスの方は気が長いです。

 ここまでが、1階部分。本格的な展示は2階になります。レーティッシュ鉄道が設立された経緯、世界遺産に指定されたアルブラ線とベルニナ線の建設計画の推移や建設時の詳細、かつての駅舎の様子やその変遷、新旧従業員の証言や現在の運行制御パネルまで、往年のポスターや写真、パネル、模型、印刷機の実物等の様々な展示品を通して体感する事が出来ます。ただ眺めるだけでなく、手で触れて、遊びながら学べる様な仕掛けも随所にあり、大人から子供まで楽しめるようになっています。鉄道ファン必見。説明書きはドイツ語、イタリア語、英語の3カ国語です。空間的にはそこまで大きくはないのですが、内容は非常に濃いので、お時間には余裕を持ってお出かけ下さい。

さか